詭弁論理学
会社の上司にお借りした詭弁論理学の要旨を記します.
この本は,強弁や詭弁のバリエーションを説明しています.それに対して,どのように対処するかまでは,具体的には述べられてはいませんが,少なくとも,意識的か無意識かはわからないけれども,相手が強弁や詭弁を使っていることを認識できるようになるとは思います.認識することで,ある程度,冷静に相手を観察できるので,何気なく相手に話の主導権を握られ,納得のいかないまま相手のペースに流されてしまうことは少なくなるのではないでしょうか?相手の言うことが論理的におかしいことに気づくことを助けてくれる視点をこの本は与えてくれると思います.
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p.52
合弁術の要諦を格言ふうにまとめると,次のようになるであろう.
(1) 相手のいうことを聞くな.
(2) 自分の主張に確信を持て.
(3) 逆らうものは悪魔である.
(4) 自分のいいたいことを繰り返せ.
(5) おどし,泣き,またはしゃべりまくること.
このようなワザの達人を,はびこらせてはならない.といっても,小児型強弁術について前に観察したように,根が深いところにある(らしい)ので,なかなか絶滅はむずかしかろうと思う.ただ,常識がないために自分の感情をふりまわす「悪気のない強弁術者」に対しては,健全な常識を作りあげ,普及させることが有益だろう.
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p.121
正しい議論のための原則
【原則1】 無理やり説得しようとするな.
無理を通そうとしたり,思いつきを口にしたりすると,かえって失言をして,議論がもつれることがある.また,いかに「当たり前」と思えることでも,好き嫌いや人生観が関係するようなことについては,相手の趣味や判断を尊重しなければならない.もちろん,自分の考えにも(健全な常識に反するところがない限り)自信をもって,たやすく譲る必要はない.
【原則2】 時間を惜しむな,打ち切るのを惜しむな.
議論は一歩一歩,お互いに一致できる点を確かめながら進めるとよい.そのように手堅く進めれば,論理のごまかしには,たいていダマされないですむと思う(相手がすばやくたたみかけてきたら,要注意である).また意見の確認をするときには,言葉の解釈に食いちがいができないように,なるべく具体的な例にあてはめて,お互いの見解を確かめあうとよい.
そうかといって,ムダに時間を費やすことはない.相手が強弁・詭弁を弄してきたら,もはや正しい議論は望めないので,惜しまず議論を打ち切ればよい.
【原則3】 結論の吟味を忘れるな.
結論の現実性(実例にあてはめたときの,意義あるいは蓋然性など),弱点などをはっきり認識しておくことは,いつの場合にも重要である.また健全な常識(道徳的,倫理的)に反する結論は,どんなに輝かしく見えようと,勇気をもって捨てなければならない.天才はしばしば常識をくつがえす,というけれども,それは科学の世界のことであって,現実の社会でそうやたらと起ることではない(とはいえ,なかったわけでもないが).
【原則4】 「わからない」ことを恥じるな.
「わからない」ことを恥ずかしがる人は,論理の飛躍や二分法の押しつけに,簡単にダマされてしまう.いつでも「わかった」ところまで戻り,議論をやりなおしてもらう逞しさを身につけておけば,詭弁などにめったにやられるものではない.
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p.123
個々の戦術のチェックポイント
【二分法について】
(1) 中間的な場合を考えなくてよいか.
(2) 開き直ったらどうなるか.
【相殺法について】
(1) 相殺される事柄の,バランスはとれているか.
(2) バランスがとれていないとしたら,どんな点での違いが重要か.
【消去法について】
(1) 消去の仕方は乱暴でないか.見おとされている場合はないか.
(2) 結論は受け入れられるか.
【ドミノ理論について】
(1) 「将棋倒し」が本当に起るのか.その現実性はどれくらいか.
(2) ドミノ理論に従うための労力(プラス副作用)と,期待される結果(あるいは予防効果)とのバランスはとれているか.
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